復興の証 AKABU

日本酒ランク 【☆☆☆☆】

岩手盛岡に新進気鋭の酒蔵がある。

もともとは岩手県大槌町にあった赤武酒造。しかし東日本大震災で蔵が完全流失し、2013年に盛岡市内に新しい醸造蔵を建て完全復活を遂げた蔵である!

ここは若き杜氏「古館龍之介」を中心に志ある若き社員達が一致団結し、新たな日本酒を醸している気鋭の蔵なのである。

商品名:AKABU 純米吟醸

原材料:米・米麹

精米歩合:50%

アルコール度数:15度

赤武酒造株式会社

岩手県盛岡市北飯岡1-8-60 

このお酒は、上立ち香の豊かさが特徴である。また、吟醸で有りながらまるで大吟醸ののような香りと、ほんのり甘く、飲み干すとゆっくりとキレる感覚は、優雅で豊かである。

無骨なイメージを受ける赤武というネーミングとデザインとは相反する、優しい味わいである。

このお酒は、若いスタッフの意気込みと、新しい繊細な感覚が醸した、新進気鋭の作品である。

この飲み口の良さと、すっと切れていく酸の爽やかさは間違いなく女性に受ける味だと思う。勿論、老若男女万人に受けるであろう。

これから、さらに洗練され日本有数の酒蔵になること想像に難くない。

AKABU 万歳!!

館林の ロゼ

日本酒ランク 【☆☆☆☆+】

群馬の酒蔵に龍神酒造というところがあり、”尾瀬の雪どけ”シリーズが、代表する酒種としてあるが、今回は一層個性的な”ロゼ・ベリー”をご紹介。

日本吟醸酒協会の紹介文によれば、「吟醸蔵として特定名称酒のみを製造。機械ではなく手作業による伝統の日本酒造りを地元の若手社員のみで行う。最高峰の酒米・兵庫県産山田錦を中心に、雄町・五百万石などの酒造好適米から幻の酒米・愛山まで複数の酒米を用いて、米の個性を引き出す酒造りを目指す」とあり、若い力による創造的な酒造りを目指していることがよくわかる。

商品名:龍神 純米大吟醸 ロゼ・ベリー

アルコール分:10度

原材料名:米・米麹

精米歩合:50%

龍神酒造株式会社

群馬県館林市西本町7-13

ラベルには「赤く色づく酵母チカラのみで発酵させた美しいロゼ色の日本酒です。まるでイチゴを想わせるベリー系のキュートな甘みとヴィヴィットな酸味が特徴です」と説明がある。

見た目も、当然異質だが、目をつぶってこの酒を飲んだら、日本酒と気づく人は殆どいないだろう。まさに、本当のロゼ以上のロゼなのである。何故、お米からこのような酸味と甘みが醸されるのか不思議な限りである。

ロゼワインはもう飲めない!

このお酒は”赤色酵母”といって人工的に突然変異で造られた酵母で、菌体内に赤色 の色素を蓄積するものを使用している。この、赤色酵母は発酵力が弱く、アルコール度数も上がらず、龍神のロゼで10%の度数で仕上がっている。

口当たりのベリーの酸味と甘みに加え適度な発砲感が、飲むペースを進め、おまけに低アルコールとあって、ついつい飲み過ぎてしまう。

芳香ももちろん、口の中の広がりも十分ベリーを堪能できる。果たしてこれが日本酒なのかと錯乱してしまいそうだ。

最近は他の酒造メーカーでもこのロゼタイプのお酒が造られてきているようだが、私が最初に出会った龍神酒造のロゼは本当にお薦めである。

誕生日祝いや、祝賀会等記念すべき日に是非、試してもらいたい逸品である。

土佐の維新 亀泉

日本酒ランク【☆☆☆☆+】

土佐といえばカツオ。カツオといえば日本酒。日本酒といえばキレのいい淡麗辛口というイメージがある。しかし、今回はあえてこのイメージと真逆の”濃厚甘口”の亀泉”というお酒をご紹介したい。

創業120年を迎えるこ酒蔵は決して大きな会社ではないが、米と麹菌に特に拘っているそうだ。研究と研鑽を積むこの酒蔵は、土佐の維新といっても過言ではない。

・品名 亀泉 純米吟醸原酒 生酒

・酵母 CEL-24

・アルコール分 14%

・日本酒度 -15

・酸度 1.8

・アミノ酸度 1.1

原材料名 米・米麹

・精米歩合 50%


亀泉酒造株式会社
高知県土佐市出間2123-1

このお酒は、広島県産米の八反錦を50%まで磨き上げ、酒名の由来である高知県で開発された酵母『CEL-24』を使用して醸した純米吟醸生原酒である。

何といっても、日本酒-15という土佐には珍しい、甘口なのが特徴である。

香りは青リンゴの爽やかな吟醸香。そして口に含めば、青リンゴの甘い含み香が広がり、軽い酸味と発泡感が甘みを抑えてバランスを整えている。

原酒にしては低いアルコール度ながら、しっかり感じる酸味とほのかな甘みのバランスは絶妙で、初めて日本酒を飲む人に試してほしい。

一言でいえば、口当たりがソフトな白ワインのようなお酒である。土佐の男臭いイメージとは全く異質な日本酒だと思う。

パスタ、マリネ、アヒージョ、パエリア、ラザニア等、洋食はじめ、肉料理、日本食にもよく合う。

是非お試しあれ!!

津軽の名酒 豊盃

日本酒ランク【☆☆☆☆】

全国ではこの蔵だけが契約栽培する酒造好適米「豊盃米」を使用し、津軽富士岩木山の伏流水で丁寧に醸している。

このお酒の名前の由来は、陸奥国弘前藩初代藩主の津軽為信が、戦場で兵士の士気を鼓舞するために唄った「ホウハイ節」から付けられたそうだ。

日本酒党を虜にする名酒としても知られ、新酒はフレッシュな感覚を楽しめる。

・品名:豊盃 純米吟醸 新酒
・原材料名:米(国産)、米麹(国産米)
・原料米:豊盃米100%使用
・精米歩合:55%
・アルコール分:15度
・製造元:三浦酒造株式会社
・青森県弘前市石渡5丁目1番地1

このお酒は、岩木山の伏流水とあってまず水の良さを感じる。このお酒を飲みたいがために岩木山に朝早くから登った事を思い出す。

口当たりが軽やかで、含んでからも穏やかに米と水の旨味が広がる。そして穏やかな酸味が後追いしてくる。

癖がないので、どんなおつまみでも合わせられる。スイスイ飲めるので、ついハイペースになってしまう。

このお酒を見ると、いつも”酒場放浪記”で吉田類さんがすすんで豊盃を注文していることを思い出す。呑ベイはこのあたりのお酒がストライクなのか?

でも、青森の酒は他の銘柄もそうだが、米と水を生かして必要以上に主張しないあっさり系でありながら、食べ物に寄り添ってくる典型的な食中酒である。

秋の夜長に、虫の音を聞きながら、ちびちびいくには、ぴったりのお酒である。

富山の羽根屋

お薦めランク【☆☆☆☆】

立山の伏流水で仕込んだお酒は、透明感すら感じる。また立山の水が流れ込む富山湾はホタルイカや寒ブリなど海産物の宝庫で、酒の肴にも事欠かない。

そしてなにより、この蔵には杜氏として自ら手腕を振るう、富美菊酒造の次期蔵元、羽根 敬喜という気鋭の酒造家がいることだ。この羽根さんは酒造メーカー勤務後実家の蔵に戻り、杜氏さんの下新しい酒造りを模索。やがてすべての酒造り工程を任されると、古い蔵人達は引退し、今は羽根さんが酒造りの総指揮を執っている。

・商品名:羽根屋 純米吟醸煌火 生原酒

・原材料:米・米麹

・精米歩合 60%

・アルコール分 16度

富美菊酒造株式会社

富山県富山市百塚134-3

とにかく飲み口が軽やかで、ほのかなパイン香と含み香を感じる。

そしてフルーティながらしっかりとした旨味も伝わる。

この蔵の羽根屋シリーズは近年数々の賞を取られているみたいだが、納得のお酒である。

今、流行りの杜氏を廃した経営者自ら酒造技能者となった酒蔵が醸すお酒を是非試してほしい。

富山のお酒とあって、ブリをはじめとする青魚系と一緒に飲むことは勿論、白魚のムニエルや、パスタ等洋食系にもよく合う。

新進気鋭蔵人が醸すお酒とあって、食前、食中酒どちらでもいける。そして、初めて日本酒を口にする人や女性にもお勧めしたい。

鈴鹿の雅 作

お薦めランク【☆☆☆☆☆】

三重県は鈴鹿山系の伏流水を利用した秀逸なお酒がいくつかある。

その中の一つが、この作である。シリーズで何種類かあるが、今回はあえて雄町を使った(雅の智)をご紹介。

もともと鈴鹿の酒の歴史は古く、鎮座場所を現在の伊勢神宮に定めるまでの行幸の様子を書いた「倭姫命世記」(やまとひめのみことせいき)に味酒鈴鹿国(うまさけすずかのくに)の記述が見られる。また、「うまさけ」は鈴鹿に係る枕詞として伝えられている。全国に美味しいと伝わった伊勢さんの酒は、三重の山田(伊勢市)で栽培されていた品種「山田穂」で作られており、各地に原料米の「山田穂」を持ち帰る人が後を絶たなかったそうだ。その「山田穂」を改良したものが「山田錦」であり、全国1位の原料米となった所以である。

・商品名:作(ZAKU) 雅の智 純米吟醸

・原材料:米・米麹 (雄町100%)

・アルコール度数:16度

・精米歩合:55%

・杜氏氏名:内山智広

清水清三郎商店株式会社

三重県鈴鹿市若松東三丁目9番33号                

作はどのシリーズを呑んでも繊細で美味しい。今回その中にあって、何故あえて岡山雄町100%使用の雅の智を選んだかといえば、ただ、雄町が好きだから!!

でも、本当に雄町が作を、一段上のお酒に仕上げているような気がする。勿論、山田錦も十分美味しい。

パインのようなほのかな芳香に、口に含めば上品な甘みが発砲感と相まって程よく広がってゆく。雄町が深い味わいを加味し余韻はほどよくキレてゆく。トータルで非常にバランスの良い仕上がりのお酒で、初心者から上級者まで満足させるお酒だと思う。

食前酒として、飲むもよし。食中酒として飲むもよし。

和食に合わせるもよし。けれど、チーズやオリーブオイルを使った洋食何でも万能に合わせることが出来る。

へべれけのオジサンも目が丸くなり、老若男女、紳士淑女も唸らせるお酒であろう!

名君の名 鍋島

お薦めランク【☆☆☆☆☆】

少し前までは、日本酒といえば十四代と言われていた。勿論、今も十四代は日本を代表する名酒だろう。しかし、最近は色々な蔵元から優れたお酒が開発され、甲乙つけがたいものも多い。ただ、近年で日本を代表するお酒の一つと言ったら、間違いなくこの鍋島だと思う。

山田錦を使用したお酒は星の数ほどあるけれど、これほどまでに山田錦を美味しく仕上げたお酒は、なかなか見当たらない。

・原材料:米・米麹

・使用米:山田錦

・精米歩合:50%

・アルコール分:16度

・杜氏:飯盛直喜

富久千代酒造有限会社
佐賀県鹿島市浜町1244-1                      

上品な香りと甘みで万人に愛される味わい。そして、一口飲んだら芳醇な果実香と柔らかな旨味が絶妙なバランスで口の中に広がる。

けれど、ただジューシーなだけではなく、旨味とキレも程よく有り、絶妙のバランスに仕上がっている。

特に生酒は繊細な気がするが、火入れも是非味わってみたい。

これほど完成度が高くてバランスが良く、しかもこの出来にしてお値段がリーズナブルときたら、次のお酒に悩んでしまう。それくらい断トツに美味しいと言っても過言ではないだろう。

食前酒にも食中酒でも、食後の口直しにでも飲める。そして日本食全般に、また洋食にも合わせられる。

日本酒の奥深さと、実力を見せつけられた逸品である。

香川 讃岐くらうでぃ

お薦めランク【☆☆☆☆】

讃岐は弘法大使の生誕地であり、お遍路さんへのお接待を通して、おだやかな気候風土と人柄を育んできたと言われている。

讃岐平野の水田地帯で原料となる酒米が収穫され、螢が飛び交う財田川の地下伏流水を仕込水として醸された「川鶴」は、芳醇で旨味が最大限に引き出され、「力強くて爽やか」な、そして「奥深く心地よい余韻が楽しめる」お酒と喧伝されている。

この蔵の通常のお酒は勿論非常に美味しく、何でも合わせられる万能のお酒であるが、今回はあえてこの蔵が思い切ってチャレンジされている変わり種”讃岐くらうでぃ”をご紹介したい。

原材料米 米・米麹・醸造用アルコール

アルコール分 6%

精米歩合:70%

日本酒度:-70

酸度:5.0

アミノ酸度:2.7

川鶴酒造株式会社

香川県観音寺市本大町836番地

麹を3倍使用して生まれた低アルコールの日本酒。麹の旨味とフルーティーな吟醸香とクリーミーで甘酸っぱい爽やかな味わい。

洋食や中華、そしてチーズやチョコや干しブドウなど、少し通常の日本酒とは違う概念で合わせてみるのも面白い。

この乳白色の”讃岐くらうでぃ”を最初に飲んだ時、乳酸飲料?お酒?って考えこんでしまった。勿論、味は美味しいのだが、通常の日本酒か濁り酒と思って飲むと肩透かしを食らう。今までの既成概念では語れない面白い一品である。

和風のものに合わせるのは少し難しいかもしれないが、食前酒や食後酒、さらに口直しなどと思えば十分楽しめる。そして、なによりアルコール度数6%と低いため、女性はカクテル感覚で飲めるだろうし、氷をたくさん入れて飲むとなお美味しい。また上記の甘辛濃淡図に当てはめると、なんと濃厚辛口に当たるのである。一度飲んだ感覚とのギャップも楽しんでほしい。

そしてなんといっても、このラベルがお洒落ではないか!

日本酒の概念を捨てて、是非体験してほしいお酒である。

秋田の名酒 雪の茅舎

薦めランク【☆☆☆☆】

長く厳しい冬、茅葺の囲炉裏を前に一杯のお酒。しみじみと味わえる良いお酒がこの雪の茅舎かもしれない。

冷やしても良し、温めても良し、山の物も良し、海の幸も良し。

平成に入ってから全国新酒鑑評会において13回の金賞受賞歴を持つ実力派の酒蔵のお酒である!

原材料名 米・米麹

精米歩合 55%

アルコール分 16度

仕様 純米吟醸 山廃ひやおろし

株式会社 斎彌酒造店

秋田県由利本荘市石脇字石脇53

華やかで濃厚な果実を思わせる香生酒の新鮮な香り。

口当たりの柔らかい酸の次に、ほのかな甘みが口に広がる。

旨味も程よく、山廃特有の渋み等を感じず、どんどん杯が進む酒である。

冷やして良し、常温良し、人肌良しである。

酒場放浪記で、吉田類が呑むお酒の一つにこの雪の茅舎をよく見かける気がする。四国の人が好むということは、四国のお酒に似たところがあるのだろうか?米も水も、明らかに環境が違うのに、共通点が多い酒があることは不思議である。

でも、山口の東洋美人の蔵主が山形の一四代を学んだように、今のお酒は県境を地域を越え、多様化しているのは事実である。美味しい酒が、沢山生まれることは嬉しい限りである。

栃木の 仙禽

お薦めランク【☆☆☆☆】

栃木は日光周辺に大きな山岳地帯があり、酒造りに欠かせない水が豊富である。故に関東でも40近くの酒蔵をかかえる日本酒地域でもある。数ある酒蔵でも一度試してほしいのが仙禽である。さらに仙禽にはモダン、クラッシック、線香花火、カブトムシ等、多々お薦めがあるが、今回はモダンをご紹介

原材料名 米・米麹

原料米 ドメーヌさくら・山田錦  ドメーヌさくら・ひとごこち

精米歩合 麹米40%(山田錦)掛米50%(ひとごこち)

アルコール分 16度

仕様 初しぼり直汲み・無濾過生原酒

株式会社 せんきん

栃木県さくら市馬場106

ほのかなバナナ香が印象深いこのお酒。しかしながら口にするとまろやかでスッキリとした味わいが広がり、スイスイと杯が進む。

そして、食中として合わせてもオールマイティに対応してくれる。

一言でいうなら、バランスの良い酒で好き嫌いが少ないタイプだと思う。

ラベルの説明書きによれば、すべての原料米に対してドメーヌ化(栽培から瓶詰めまでの工程を全て一貫して行なう)を行っている。更に仕込み水と同じ水脈上にある田園だけで原料米を作付けするといったこだわりよう。

ワインと同じ考え方で造られた日本酒(ドメーヌ)は数少なく、あえて純米大吟醸は名乗っていない。