気鋭の酒 加茂錦

日本酒ランク【☆☆☆☆+】

酒どころ新潟の加茂市に明治26年創業している。120年以上の歴史をもつ地元の銘酒としての基盤がある一方、2016年、新ブランドが大ブレイクした。その名も「荷札酒」と言い、ラベルも斬新で印象的である。

造り手は若手(20代)の次期蔵元、田中悠一氏で、いわゆる“理系男子”だったそうだが、「獺祭」や「十四代」に出会って日本酒の味わいに開眼されたという。そこで、酒造りの道を志すことになったそうだ。

「荷札酒」シリーズは、精米歩合50%以下の純米大吟醸が基準モデル。しかも、洗練された出来栄えにもかかわらず、比較的安価でリーズナブルである。

・商品名 荷札酒 無濾過生原酒 純米大吟醸

・原材料 米、米麹

・使用米 山田錦32% 五百万石68%

・精米歩合50%

・アルコール度数 15%

・仲汲み・生囲い

加茂錦酒造株式会社

新潟県加茂市仲町3番3号

上品でふくらみのある香味と甘みと後を引く余韻が印象的である。

フレッシュで心地よい酸味が広がり、やがて口の中にほのかな甘みと深い味わいが残る。そして程よく切れていくバランスのよさは絶妙である。

獺祭や十四代に影響されつつも、独自の味わいを確立されている。私はむしろ加茂錦の方が好きである。

このお酒は密かにブレーク中だということだが、あまり有名になってもらうと入手しずらくなるので、

一ファンんとしてはこれ以上人に知られたくはない。

でも紹介せずにいられない、美味しいお酒である。

魚にも、肉にも、野菜にもあい、和風、洋風、中華等、料理種類問わずマリアージュしやすく、万能

のお酒。是非ご賞味あれ。

能登の名酒 宗玄

日本酒ランク【☆☆☆☆+】

私の日本酒の原点が、この能登の宗玄である。日本酒の良し悪しが分らない時に、名もないおでん屋さんで勧められて口にしたのが最初だったと記憶がある。

それまで飲んだ日本酒は、鼻につくし、飲んだ後喉を焼くようなイメージが強かった。そして何より翌日に残ることが日本酒を遠ざける理由でもあった。当時まだ、安物洋酒のイメージの強かったニッカのレッドの方がましだと思っていたものだ。

しかし、この宗玄を呑んでから、日本酒に対するイメージが180度変わった。飲みやすく、しかも翌日に残らない。詳しいことは分からなかったが、当時はしばらくこのお酒を好んで飲んだ覚えがある。

最近になって何十年ぶりかに口にしたが、最初感じた大雑把なイメージと違い、このお酒の醸す繊細な味わいを感じることができた。

・商品名 生原酒 宗玄

・原料米:酒造好適米

・ 原材料:米、米麹、醸造アルコール

・アルコール度:19%

・酒度:-7

・精米歩合:65%

・特定名称:本醸造

・宗玄酒造株式会社

・石川県珠洲市宝立町宗玄24-22

もち米を使用した4段仕込み。
搾ったままの濃醇さで高めのアルコール度数だが、甘みと旨味がしっかりしている為度数よりも飲みやすい。
ほのかな甘みと、酸味、そして酒のふくよか味わいに、すっとした締まりがある。このあたりはアル添が良い仕事をしているんのだと思う。

このお酒は、分類的には普通酒となるが、いざ呑んでみれば『特定名称表記』なんて関係ないことが

良くわかる。

ふぐの子糠漬け、海鼠腸、ごり煮、治部煮、ノドグロなどを酒の肴に呑めば幸せ間違いなし!!


阿部勘 金魚

日本酒ランク【☆☆☆☆】

 淡麗辛口

享保元年(1716年)に伊達藩の命により酒造株を譲り受け、塩竈神社への御神酒御用酒屋として酒造りをはじめたのが創業と伝えられている。

『宮城県産米を中心に原料米にこだわり、手間暇を掛けて丁寧な酒造りを心がけているとのこと。酒質は米の旨みがありながら後切れが良い、食べ物を食べながら飲み続けられる食中酒を目標とし、港町塩竈の食材を引き立たせることができるようなお酒でありたい』とういう酒蔵のコンセプトを掲げて日夜努力を重ねられ、近年は真空マイク口波加熱蒸留による焼酎も手掛けられている。

・商品名:阿部勘 純米吟醸 夏酒 金魚ラベル

・原料米:蔵の華(麹)/ササニシキ(掛)

・精米歩合:55%

・日本酒度:+3

・酸度:1.5

・アミノ酸度:1.0

・アルコール度数:15%

・阿部勘酒造株式会社

・宮城県塩竈市西町 3-9

涼しげに金魚が泳ぐ!

実はこの金魚、表から見たら、普通の白いラベル。

でも、後からみたら ”あら不思議!” お酒の中に金魚が浮びあがる

夏酒だけに、暑い時期に公開するつもりが・・

でも、このラベルは見てて飽きない。瓶を揺らせば、金魚がゆらゆら泳ぎ出す!!

阿部勘は他の商品も端麗辛口のすっきりを目指したお酒のようであるが、この夏酒金魚は、本当にすっきりとして飲みやすい。本来の飲み方である、キンキンに冷やして口に入れると、さらに辛口が際立つ。

でも、これをしばらく放置し、常温にしてから飲めば、これまた不思議、非常にまろやかで、優しい味わいに変わり口の中に広がる。

私は、常温で飲む方がこのお酒の良さを引き出し、より美味しい気がする。勿論、食中酒としても抜群で、塩釜であがったお魚を意識し造られたお酒だということが良くわかる。特に淡白な魚に、阿部勘は良い!

絵柄を眺めながら、ゆっくり味って頂きたい。

さくら色の鮎正宗

日本酒ランク【☆☆☆☆】

 濃厚甘口

創業は、明治8年(1875年)。初代飯吉彦左衛門が良質の湧き水で
酒を醸したことが始まりだそう。

鮎正宗という酒名は、昭和の初めに当酒蔵に程近く保養地として有名な妙高高原町の赤倉に滞在された京都伏見の若宮博義殿下から、この地で鮎釣りをした際に命名されたという。

妙高赤倉といえば、スキー場の聖地。近くに池の平、杉の原、斑尾など、大規模で広いゲレンデを誇るスキー場が点在する。

・商品名:さくらいろ(SAKURAIRO)純米にごり酒 

・原料米:五百万石(麹)こしいぶき(掛)

・精米歩合:麹58% 掛70%

・日本酒度:-40.0

・酸度:2.0

・アミノ酸度:2.6

・使用酵母:協会赤色酵母

・アルコール度:10%

鮎正宗酒造株式会社

新潟県妙高市大字猿橋636

さらりとした口当たり、柔らかな甘みと酸味が特徴であるアルコールも低く、飲みやすい甘口

何といっても日本酒度-40.0という超甘口が特徴である。でも甘口濃厚にもかかわらず、適度な酸味もあるため思ったほど、くどくない。

食前酒として、お花見の季節は勿論、三月のお雛様、ハロウィン、クリスマス、誕生日会等にもピッタリのお酒。

桜シールが張った新聞をおもむろに剥がせば、桜色に染まった瓶が現れる。

正に”桜色”のにごり酒である。どぶろくのような野暮ったさはなく、お洒落でかつ飲み口も、案外柔らかくくどくない。

食中酒として合わすには難しいかもしれないが、食前酒としてパーティーや記念の行事にはもってこいである。

お酒を飲みなれない女性にも、お薦めの軽めの酒である。

首都東京 屋守

日本酒ランク【☆☆☆☆】

 淡麗辛口

東京のお酒。オクノカミ

420年前(1596年)に江戸の神田鎌倉河岸で、初代豊島屋十右衛門が酒屋兼一杯飲み屋の商いを始め、大勢の人びとが集る場として大変繁盛したという。以来、変遷を経て昭和の初期、現在の東京都東村山市に醸造元として豊島屋酒造が設立されている。

酒蔵は地方のイメージが強いのだが、東京にも勿論伝統的な酒蔵がある。流石に江戸の中心部からは少し離れたところに移転されているが、伝統的江戸の酒ということ変わりはない。

商品名:屋守 純米吟醸無調整  仕込み二十三号

原材料名:米・米麹

原料米:広島県産八反錦100%

精米歩合:麹米50%・掛米50%

アルコール分:16度

日本酒度:+2.0

酸度:1.4

豊島屋酒造株式会社

東京都東村山市久米川町3-14-10

全量無調整(無濾過・無加水)、全量ビン貯蔵を行っているため、やはり江戸時代以来の本来の日本酒に拘っているようである。

ほのかな果実の芳香と、一口飲めば優しい味が口に広がる。

全体的に甘みと酸味が抑えられ、すっきりとしたお酒で癖がなく飲みやすい。

ラベルの裏側にあるヤモリがトレードマーク。

屋守(オクノカミ)と呼ぶが、やはり家の守神、ヤモリがネーム語源であろう

コハダやシャコ、アサリや穴子、キンメダイ等東京素材と合わせてほしい!! 

是非、お洒落なラベルと、江戸前の味を!

茨木の 来福

日本酒ランク【☆☆☆☆】

来福酒造は十数種の酒造好適米と天然の花酵母を使われているという。今後、地元米を増やし、自社精米してお米の出来栄えに拘っていくそうだ。また酵母も自社栽培されており、近代蔵の拘りと個性が垣間見える。

商品名:Raifuku SP junmai ginjoshu (無濾過)

原材料名:米・米こうじ

アルコール分:15度

精米歩合:55%

来福酒造株式会社

茨城県筑西市村田1626

みずみずしく、そして柔らかい口当たり。リンゴのような甘みと酸味が口に広がり、ふくよかな味わいを感じたらほどなくきれてゆく。

強い主張はないが、その分爽やかで飲みやすくもある、万人好みのお酒である。

ラベルもワイン風で、近代的である。爽快な味わいを意識したお洒落なデザインとなっている。

パスタ料理やチーズ料理、ムニエル等、欧州の料理との取り合わせが頭に浮かぶ。

一方で、和風料理何でも合わせやすく、万能にマリアージュ出来るところが魅力である!

広島の拘り 亀齢

日本酒ランク【☆☆☆☆】

広島県東広島市の西条は、伏見、灘と並んで酒造りの聖地である。西城の町には赤い煉瓦煙突が林立し、エモーショナルな漆喰・海鼠壁の土蔵造りの酒蔵が建ち並ぶ。

亀齢酒造株式会社は1868年創業で、酒銘は「鶴は千年、亀は万年」の諺にあやかり、長命と繁栄を願って名付けられたそうだ。甘口が主流の広島県で、亀齢は珍しい辛口のお酒である。

商品名:亀齢 無濾過 五段仕込純米酒 八九 生酒

原材料:米・米麹

麹歩合:8割9分

原料米:中生新千本100%

アルコール分:17度

精米歩合:7割

酸度:2度8分

日本酒度:-13度

使用酵母:自家培養

アミノ酸度:3度

杜氏:西垣昌弘

亀齢酒造株式会社

広島県東広島市西条本町8番18号

通常、麹の割合は20~30%程だが、このお酒は89%が麹という贅沢で非常に手間の掛かる造りをしたお酒である。ラベルにもその拘りを前面に出している。
濃厚でボリュームのある甘みと旨み、フレッシュでジューシーな味わいが特徴である。酸度も高く、後口はさっぱりとしている。

通常であれば-13度の日本酒度から甘口の口当たりだが、酸度が高いため後味がスっとしおり、トータルで辛口に属する。

広島はやはりカキの濃厚な味わに負けない、日本酒の造りをしていて、濃厚な日本酒が多い。そんな中にあって、濃厚かつ切れる酒を醸した亀齢酒造。

海鮮は勿論、フォアグラや、アンコウ・タラの肝、白子、アボガドやチーズといった濃厚な味わいと舌触りの食べ物が良く合う。

寒い季節に、濃厚でまったりと杯を空けるには、亀齢がいい!

甲賀の美味 三連星

日本酒ランク【☆☆☆☆】

鈴鹿山系の伏流水を仕込み水に、絞ったお酒を直ぐに瓶詰めした鮮度抜群の生原酒。三重県に名酒が多くあるように、水口は鈴鹿山系を挟んで西側に位置し、鮮度を売りにした銘柄が多いように思う。

三連星でも、特にこの銘柄は主張が強く、是非洋風の料理と合わせてほしい。

商品名:三連星 無濾過生原酒 直汲み 純米酒吟吹雪

原材料:米・米麹

精米歩合:60%

使用米:滋賀県吟吹雪100%使用

アルコール分:16度

日本酒度:+4.8

酸度:1.7

仕込み水:鈴鹿山系野洲川伏流水

美冨久酒造株式会社

滋賀県甲賀市水口町西林口3-2

お酒をしぼった先から直ぐに瓶詰めする事で抜群の鮮度を誇り、醗酵ガスがピチピチと口中に広がる発砲感がたまらない。

純米吟醸のタイプより、このシリーズの方がよりこのお酒の特徴が出ており、バランスが取れている思う。果樹の芳香に始まり、含みの酸味や米の旨味を、この発砲感がうまく包んでくれている。そして、ほどなく切れてゆく。生酒の良さを引き出しているお酒である。

いい意味で、日本酒本来の飲み口を裏切りつつ、刺激的かつ美味しい酒であると思う。パスタ料理、オリーブオイルを使った料理、チーズ等乳製品も合わせやすい。勿論、魚料理、肉料理にも十分いける。

白ワイン好きのあなたに、是非この三連星と飲み比べてほしい!!

          

復興の証 AKABU

日本酒ランク 【☆☆☆☆】

岩手盛岡に新進気鋭の酒蔵がある。

もともとは岩手県大槌町にあった赤武酒造。しかし東日本大震災で蔵が完全流失し、2013年に盛岡市内に新しい醸造蔵を建て完全復活を遂げた蔵である!

ここは若き杜氏「古館龍之介」を中心に志ある若き社員達が一致団結し、新たな日本酒を醸している気鋭の蔵なのである。

商品名:AKABU 純米吟醸

原材料:米・米麹

精米歩合:50%

アルコール度数:15度

赤武酒造株式会社

岩手県盛岡市北飯岡1-8-60 

このお酒は、上立ち香の豊かさが特徴である。また、吟醸で有りながらまるで大吟醸ののような香りと、ほんのり甘く、飲み干すとゆっくりとキレる感覚は、優雅で豊かである。

無骨なイメージを受ける赤武というネーミングとデザインとは相反する、優しい味わいである。

このお酒は、若いスタッフの意気込みと、新しい繊細な感覚が醸した、新進気鋭の作品である。

この飲み口の良さと、すっと切れていく酸の爽やかさは間違いなく女性に受ける味だと思う。勿論、老若男女万人に受けるであろう。

これから、さらに洗練され日本有数の酒蔵になること想像に難くない。

AKABU 万歳!!

館林の ロゼ

日本酒ランク 【☆☆☆☆+】

群馬の酒蔵に龍神酒造というところがあり、”尾瀬の雪どけ”シリーズが、代表する酒種としてあるが、今回は一層個性的な”ロゼ・ベリー”をご紹介。

日本吟醸酒協会の紹介文によれば、「吟醸蔵として特定名称酒のみを製造。機械ではなく手作業による伝統の日本酒造りを地元の若手社員のみで行う。最高峰の酒米・兵庫県産山田錦を中心に、雄町・五百万石などの酒造好適米から幻の酒米・愛山まで複数の酒米を用いて、米の個性を引き出す酒造りを目指す」とあり、若い力による創造的な酒造りを目指していることがよくわかる。

商品名:龍神 純米大吟醸 ロゼ・ベリー

アルコール分:10度

原材料名:米・米麹

精米歩合:50%

龍神酒造株式会社

群馬県館林市西本町7-13

ラベルには「赤く色づく酵母チカラのみで発酵させた美しいロゼ色の日本酒です。まるでイチゴを想わせるベリー系のキュートな甘みとヴィヴィットな酸味が特徴です」と説明がある。

見た目も、当然異質だが、目をつぶってこの酒を飲んだら、日本酒と気づく人は殆どいないだろう。まさに、本当のロゼ以上のロゼなのである。何故、お米からこのような酸味と甘みが醸されるのか不思議な限りである。

ロゼワインはもう飲めない!

このお酒は”赤色酵母”といって人工的に突然変異で造られた酵母で、菌体内に赤色 の色素を蓄積するものを使用している。この、赤色酵母は発酵力が弱く、アルコール度数も上がらず、龍神のロゼで10%の度数で仕上がっている。

口当たりのベリーの酸味と甘みに加え適度な発砲感が、飲むペースを進め、おまけに低アルコールとあって、ついつい飲み過ぎてしまう。

芳香ももちろん、口の中の広がりも十分ベリーを堪能できる。果たしてこれが日本酒なのかと錯乱してしまいそうだ。

最近は他の酒造メーカーでもこのロゼタイプのお酒が造られてきているようだが、私が最初に出会った龍神酒造のロゼは本当にお薦めである。

誕生日祝いや、祝賀会等記念すべき日に是非、試してもらいたい逸品である。