阿部勘 金魚

日本酒ランク【☆☆☆☆】

 淡麗辛口

享保元年(1716年)に伊達藩の命により酒造株を譲り受け、塩竈神社への御神酒御用酒屋として酒造りをはじめたのが創業と伝えられている。

『宮城県産米を中心に原料米にこだわり、手間暇を掛けて丁寧な酒造りを心がけているとのこと。酒質は米の旨みがありながら後切れが良い、食べ物を食べながら飲み続けられる食中酒を目標とし、港町塩竈の食材を引き立たせることができるようなお酒でありたい』とういう酒蔵のコンセプトを掲げて日夜努力を重ねられ、近年は真空マイク口波加熱蒸留による焼酎も手掛けられている。

・商品名:阿部勘 純米吟醸 夏酒 金魚ラベル

・原料米:蔵の華(麹)/ササニシキ(掛)

・精米歩合:55%

・日本酒度:+3

・酸度:1.5

・アミノ酸度:1.0

・アルコール度数:15%

・阿部勘酒造株式会社

・宮城県塩竈市西町 3-9

涼しげに金魚が泳ぐ!

実はこの金魚、表から見たら、普通の白いラベル。

でも、後からみたら ”あら不思議!” お酒の中に金魚が浮びあがる

夏酒だけに、暑い時期に公開するつもりが・・

でも、このラベルは見てて飽きない。瓶を揺らせば、金魚がゆらゆら泳ぎ出す!!

阿部勘は他の商品も端麗辛口のすっきりを目指したお酒のようであるが、この夏酒金魚は、本当にすっきりとして飲みやすい。本来の飲み方である、キンキンに冷やして口に入れると、さらに辛口が際立つ。

でも、これをしばらく放置し、常温にしてから飲めば、これまた不思議、非常にまろやかで、優しい味わいに変わり口の中に広がる。

私は、常温で飲む方がこのお酒の良さを引き出し、より美味しい気がする。勿論、食中酒としても抜群で、塩釜であがったお魚を意識し造られたお酒だということが良くわかる。特に淡白な魚に、阿部勘は良い!

絵柄を眺めながら、ゆっくり味って頂きたい。

首都東京 屋守

日本酒ランク【☆☆☆☆】

 淡麗辛口

東京のお酒。オクノカミ

420年前(1596年)に江戸の神田鎌倉河岸で、初代豊島屋十右衛門が酒屋兼一杯飲み屋の商いを始め、大勢の人びとが集る場として大変繁盛したという。以来、変遷を経て昭和の初期、現在の東京都東村山市に醸造元として豊島屋酒造が設立されている。

酒蔵は地方のイメージが強いのだが、東京にも勿論伝統的な酒蔵がある。流石に江戸の中心部からは少し離れたところに移転されているが、伝統的江戸の酒ということ変わりはない。

商品名:屋守 純米吟醸無調整  仕込み二十三号

原材料名:米・米麹

原料米:広島県産八反錦100%

精米歩合:麹米50%・掛米50%

アルコール分:16度

日本酒度:+2.0

酸度:1.4

豊島屋酒造株式会社

東京都東村山市久米川町3-14-10

全量無調整(無濾過・無加水)、全量ビン貯蔵を行っているため、やはり江戸時代以来の本来の日本酒に拘っているようである。

ほのかな果実の芳香と、一口飲めば優しい味が口に広がる。

全体的に甘みと酸味が抑えられ、すっきりとしたお酒で癖がなく飲みやすい。

ラベルの裏側にあるヤモリがトレードマーク。

屋守(オクノカミ)と呼ぶが、やはり家の守神、ヤモリがネーム語源であろう

コハダやシャコ、アサリや穴子、キンメダイ等東京素材と合わせてほしい!! 

是非、お洒落なラベルと、江戸前の味を!

茨木の 来福

日本酒ランク【☆☆☆☆】

来福酒造は十数種の酒造好適米と天然の花酵母を使われているという。今後、地元米を増やし、自社精米してお米の出来栄えに拘っていくそうだ。また酵母も自社栽培されており、近代蔵の拘りと個性が垣間見える。

商品名:Raifuku SP junmai ginjoshu (無濾過)

原材料名:米・米こうじ

アルコール分:15度

精米歩合:55%

来福酒造株式会社

茨城県筑西市村田1626

みずみずしく、そして柔らかい口当たり。リンゴのような甘みと酸味が口に広がり、ふくよかな味わいを感じたらほどなくきれてゆく。

強い主張はないが、その分爽やかで飲みやすくもある、万人好みのお酒である。

ラベルもワイン風で、近代的である。爽快な味わいを意識したお洒落なデザインとなっている。

パスタ料理やチーズ料理、ムニエル等、欧州の料理との取り合わせが頭に浮かぶ。

一方で、和風料理何でも合わせやすく、万能にマリアージュ出来るところが魅力である!

復興の証 AKABU

日本酒ランク 【☆☆☆☆】

岩手盛岡に新進気鋭の酒蔵がある。

もともとは岩手県大槌町にあった赤武酒造。しかし東日本大震災で蔵が完全流失し、2013年に盛岡市内に新しい醸造蔵を建て完全復活を遂げた蔵である!

ここは若き杜氏「古館龍之介」を中心に志ある若き社員達が一致団結し、新たな日本酒を醸している気鋭の蔵なのである。

商品名:AKABU 純米吟醸

原材料:米・米麹

精米歩合:50%

アルコール度数:15度

赤武酒造株式会社

岩手県盛岡市北飯岡1-8-60 

このお酒は、上立ち香の豊かさが特徴である。また、吟醸で有りながらまるで大吟醸ののような香りと、ほんのり甘く、飲み干すとゆっくりとキレる感覚は、優雅で豊かである。

無骨なイメージを受ける赤武というネーミングとデザインとは相反する、優しい味わいである。

このお酒は、若いスタッフの意気込みと、新しい繊細な感覚が醸した、新進気鋭の作品である。

この飲み口の良さと、すっと切れていく酸の爽やかさは間違いなく女性に受ける味だと思う。勿論、老若男女万人に受けるであろう。

これから、さらに洗練され日本有数の酒蔵になること想像に難くない。

AKABU 万歳!!

愛知の 二兎

日本酒ランク【☆☆☆+】

”二兎を追う者は一兎をも得ず”という言葉があるが、このお酒のラベルには”二兎を追うものしか二兎を得ず”と書いてある。

つまり、二律に背反するような二つのコトガラを最高のバランスの味わいになるように造ったということだそうだ。

徳川家康の故郷にて育まれた、この蔵は風土・歴史 – 丸石醸造株式会社 元禄3年(1690年)に創業。 清酒「三河武士」の商いを始めたそうだ。当然、”徳川家康”と命名された高級酒もここで造られている。

愛知県注目のお酒である。

商品名:純米吟醸 二兎 山田錦五十五 火入

原材料名:米、米こうじ

原料米:山田錦100%使用

精米歩合:55%

アルコール分:16%

丸石醸造株式会社

愛知県岡崎市中町6-3-3

芳醇な果物の甘みと、ほのかな酸味が、口に広がり、二律を求めるバランスに違わない味わいを醸している。

大変、美味しい酒である。

ただ、バランスが良いがためか、少し個性に欠けるかもしれない。しかし、それが飲みやすさと、万人に好まれるタイプのお酒に仕上がっていると感じる。

三河といえば、八丁味噌だが、恐らく主張の強い味噌と喧嘩しないお酒造りというものが、この地方の命題だったのかもしれない。この界隈のお酒は多く知らないが、二兎のバランスの良さから、勝手にそんなことを想像する。

土佐の維新 亀泉

日本酒ランク【☆☆☆☆+】

土佐といえばカツオ。カツオといえば日本酒。日本酒といえばキレのいい淡麗辛口というイメージがある。しかし、今回はあえてこのイメージと真逆の”濃厚甘口”の亀泉”というお酒をご紹介したい。

創業120年を迎えるこ酒蔵は決して大きな会社ではないが、米と麹菌に特に拘っているそうだ。研究と研鑽を積むこの酒蔵は、土佐の維新といっても過言ではない。

・品名 亀泉 純米吟醸原酒 生酒

・酵母 CEL-24

・アルコール分 14%

・日本酒度 -15

・酸度 1.8

・アミノ酸度 1.1

原材料名 米・米麹

・精米歩合 50%


亀泉酒造株式会社
高知県土佐市出間2123-1

このお酒は、広島県産米の八反錦を50%まで磨き上げ、酒名の由来である高知県で開発された酵母『CEL-24』を使用して醸した純米吟醸生原酒である。

何といっても、日本酒-15という土佐には珍しい、甘口なのが特徴である。

香りは青リンゴの爽やかな吟醸香。そして口に含めば、青リンゴの甘い含み香が広がり、軽い酸味と発泡感が甘みを抑えてバランスを整えている。

原酒にしては低いアルコール度ながら、しっかり感じる酸味とほのかな甘みのバランスは絶妙で、初めて日本酒を飲む人に試してほしい。

一言でいえば、口当たりがソフトな白ワインのようなお酒である。土佐の男臭いイメージとは全く異質な日本酒だと思う。

パスタ、マリネ、アヒージョ、パエリア、ラザニア等、洋食はじめ、肉料理、日本食にもよく合う。

是非お試しあれ!!

津軽の名酒 豊盃

日本酒ランク【☆☆☆☆】

全国ではこの蔵だけが契約栽培する酒造好適米「豊盃米」を使用し、津軽富士岩木山の伏流水で丁寧に醸している。

このお酒の名前の由来は、陸奥国弘前藩初代藩主の津軽為信が、戦場で兵士の士気を鼓舞するために唄った「ホウハイ節」から付けられたそうだ。

日本酒党を虜にする名酒としても知られ、新酒はフレッシュな感覚を楽しめる。

・品名:豊盃 純米吟醸 新酒
・原材料名:米(国産)、米麹(国産米)
・原料米:豊盃米100%使用
・精米歩合:55%
・アルコール分:15度
・製造元:三浦酒造株式会社
・青森県弘前市石渡5丁目1番地1

このお酒は、岩木山の伏流水とあってまず水の良さを感じる。このお酒を飲みたいがために岩木山に朝早くから登った事を思い出す。

口当たりが軽やかで、含んでからも穏やかに米と水の旨味が広がる。そして穏やかな酸味が後追いしてくる。

癖がないので、どんなおつまみでも合わせられる。スイスイ飲めるので、ついハイペースになってしまう。

このお酒を見ると、いつも”酒場放浪記”で吉田類さんがすすんで豊盃を注文していることを思い出す。呑ベイはこのあたりのお酒がストライクなのか?

でも、青森の酒は他の銘柄もそうだが、米と水を生かして必要以上に主張しないあっさり系でありながら、食べ物に寄り添ってくる典型的な食中酒である。

秋の夜長に、虫の音を聞きながら、ちびちびいくには、ぴったりのお酒である。

富山の羽根屋

お薦めランク【☆☆☆☆】

立山の伏流水で仕込んだお酒は、透明感すら感じる。また立山の水が流れ込む富山湾はホタルイカや寒ブリなど海産物の宝庫で、酒の肴にも事欠かない。

そしてなにより、この蔵には杜氏として自ら手腕を振るう、富美菊酒造の次期蔵元、羽根 敬喜という気鋭の酒造家がいることだ。この羽根さんは酒造メーカー勤務後実家の蔵に戻り、杜氏さんの下新しい酒造りを模索。やがてすべての酒造り工程を任されると、古い蔵人達は引退し、今は羽根さんが酒造りの総指揮を執っている。

・商品名:羽根屋 純米吟醸煌火 生原酒

・原材料:米・米麹

・精米歩合 60%

・アルコール分 16度

富美菊酒造株式会社

富山県富山市百塚134-3

とにかく飲み口が軽やかで、ほのかなパイン香と含み香を感じる。

そしてフルーティながらしっかりとした旨味も伝わる。

この蔵の羽根屋シリーズは近年数々の賞を取られているみたいだが、納得のお酒である。

今、流行りの杜氏を廃した経営者自ら酒造技能者となった酒蔵が醸すお酒を是非試してほしい。

富山のお酒とあって、ブリをはじめとする青魚系と一緒に飲むことは勿論、白魚のムニエルや、パスタ等洋食系にもよく合う。

新進気鋭蔵人が醸すお酒とあって、食前、食中酒どちらでもいける。そして、初めて日本酒を口にする人や女性にもお勧めしたい。

鈴鹿の雅 作

お薦めランク【☆☆☆☆☆】

三重県は鈴鹿山系の伏流水を利用した秀逸なお酒がいくつかある。

その中の一つが、この作である。シリーズで何種類かあるが、今回はあえて雄町を使った(雅の智)をご紹介。

もともと鈴鹿の酒の歴史は古く、鎮座場所を現在の伊勢神宮に定めるまでの行幸の様子を書いた「倭姫命世記」(やまとひめのみことせいき)に味酒鈴鹿国(うまさけすずかのくに)の記述が見られる。また、「うまさけ」は鈴鹿に係る枕詞として伝えられている。全国に美味しいと伝わった伊勢さんの酒は、三重の山田(伊勢市)で栽培されていた品種「山田穂」で作られており、各地に原料米の「山田穂」を持ち帰る人が後を絶たなかったそうだ。その「山田穂」を改良したものが「山田錦」であり、全国1位の原料米となった所以である。

・商品名:作(ZAKU) 雅の智 純米吟醸

・原材料:米・米麹 (雄町100%)

・アルコール度数:16度

・精米歩合:55%

・杜氏氏名:内山智広

清水清三郎商店株式会社

三重県鈴鹿市若松東三丁目9番33号                

作はどのシリーズを呑んでも繊細で美味しい。今回その中にあって、何故あえて岡山雄町100%使用の雅の智を選んだかといえば、ただ、雄町が好きだから!!

でも、本当に雄町が作を、一段上のお酒に仕上げているような気がする。勿論、山田錦も十分美味しい。

パインのようなほのかな芳香に、口に含めば上品な甘みが発砲感と相まって程よく広がってゆく。雄町が深い味わいを加味し余韻はほどよくキレてゆく。トータルで非常にバランスの良い仕上がりのお酒で、初心者から上級者まで満足させるお酒だと思う。

食前酒として、飲むもよし。食中酒として飲むもよし。

和食に合わせるもよし。けれど、チーズやオリーブオイルを使った洋食何でも万能に合わせることが出来る。

へべれけのオジサンも目が丸くなり、老若男女、紳士淑女も唸らせるお酒であろう!

名君の名 鍋島

お薦めランク【☆☆☆☆☆】

少し前までは、日本酒といえば十四代と言われていた。勿論、今も十四代は日本を代表する名酒だろう。しかし、最近は色々な蔵元から優れたお酒が開発され、甲乙つけがたいものも多い。ただ、近年で日本を代表するお酒の一つと言ったら、間違いなくこの鍋島だと思う。

山田錦を使用したお酒は星の数ほどあるけれど、これほどまでに山田錦を美味しく仕上げたお酒は、なかなか見当たらない。

・商品名 鍋島 純米吟醸 山田錦 三十六萬石 生酒

・原材料:米・米麹

・使用米:山田錦

・精米歩合:50%

・アルコール分:16度

・杜氏:飯盛直喜

富久千代酒造有限会社
佐賀県鹿島市浜町1244-1                      

上品な香りと甘みで万人に愛される味わい。そして、一口飲んだら芳醇な果実香と柔らかな旨味が絶妙なバランスで口の中に広がる。

けれど、ただジューシーなだけではなく、旨味とキレも程よく有り、絶妙のバランスに仕上がっている。

特に生酒は繊細な気がするが、火入れも是非味わってみたい。

これほど完成度が高くてバランスが良く、しかもこの出来にしてお値段がリーズナブルときたら、次のお酒に悩んでしまう。それくらい断トツに美味しいと言っても過言ではないだろう。

食前酒にも食中酒でも、食後の口直しにでも飲める。そして日本食全般に、また洋食にも合わせられる。

日本酒の奥深さと、実力を見せつけられた逸品である。